「国家の品格」を読んで

 「国家の品格」。なんと現在の日本に全く存在しない概念ではないですか。日本の政治家どもは、こんなことを考えたことはないでしょう。だって、従属国日本。借金大国日本にしておきながら、何とも感じない連中ですから。

 「国家の品格」は数学者で新田次郎の次男である藤原正彦著、新潮新書から2005年11月20日に発行された本です。社会も国家も国民も底無し沼のような堕落に落ち込んでいくようなこのご時世によくぞ正論を吐いてくれたと手を叩いて喜びたいほどの本。とにかく、私がこれまで考えていたようなことが、ずばずば述べてある。どんなことか。西洋合理主義の批判対米従属日本の批判グローバル化の批判

 大体、太平洋戦争で負けたが為に全て日本のやったことは悪いように言われているが、征服欲の面では日本なんてかわいらしいもので、欧米の強欲さと人種差別感覚はひどいものである。第2次世界大戦が終わってもまだ、イギリス、フランス、オランダ等は植民地を維持しようとしたわけで、彼等に日本を批判する資格はない。これは、全然知らなかったが、第1次世界大戦後のパリ講和会議で日本が提出した「人種平等法案」を米、英、仏、豪等が反対したとの事。まあ、日本人なんて彼等から見たら東洋の黄色い猿くらいにしか考えてないのだろうが。

 現在、日本は自信を無くして、未だに欧米かぶれが流行っているのが、嘆かわしい。つまらない事かもしれないが、見た目の格好の良さだけで教会で結婚式を挙げるような馬鹿たれども。教会に対して失礼である。宗教を何と考えているのか。浅はかなことよ。何が、クリスマスだ。日本には何の関係もないじゃないか。楽しければ、それで良いのか?

 昔から日本に来た外人どもは、日本人の能力の高さ、礼儀正しさ、勤勉さ等に感心している。子供を甘やかすことが悪いように言われて、欧米の育児法の一つのうつ伏せ寝が流行って、突然死するようになったではないか。日本人は昔から頭の変形を気にしながらでも仰向けに寝させていたんだ。昔から日本人は子供を世界一大切にしてきて、バテレンどもだったかは、日本ほど子供達が大切にされ、生き生きと生活している国はないと記録を残している。

 なんでフランシスコ・ザビエルが日本に来たのか? 薩摩で殺人を犯して海外逃亡したヤジロウだったか、とザビエルが会い、ヤジロウを見て、日本に来たのだという。唯の殺人者ではないんだ。人は殺したかもしれないが、ヤジロウは日本人としての品格を持っていたのだろう。

 バテレンが日本に来て、地球が丸いこと等を話すと、庶民でも一生懸命聞いて、質問し、理解したという。日本人が野蛮人だったら、食うことに一生懸命でそんなことに興味を示さないだろうし、理解も出来なかっただろう。とにかくバテレンどもも日本人の優秀さを認めている。そういう意味では、村上ファンドとか言って、金儲けのことしか考えてない村上某とかの方が、人間の品格欠如だね。彼も脳みその働きは、良いのだろうけど、それを金儲けの事にしか使いきらないところが、馬鹿なんだ。品格欠如だ。

 藤原氏は本の中でエリートによる政治の必要性を述べている。民主主義は民意を反映させて政治をするのだが、民意は時には浮かれて何をしでかすか、わからない面がある。日清だったか日露戦争だったか、勝ったと浮かれる国民。
 現在でも選挙管理委員会は「皆さん投票に行きましょう」と政治に無感心な人間にまで選挙に行かせようとするが、それは間違いではないか。大体、投票前日までだれに入れるか決めきらないような人間は投票に行くな。毎日、社会問題を考えている人間と気分で投票するような人間。これが同じ一票なのがおかしい。無関心なら投票に行くな。

 久々に言いたい放題。もっと書きたいが、書きたいことが多くて、書ききれない。あまりためない様に小まめにこれからは書こう。
 ところで上記はほとんど私の意見であり、藤原氏の意見ではありません。藤原氏が提案する「武士道精神の復活」。最近、武士道という言葉、どこでも良く聞くようになりました。これについては、武士道精神とは、何なのかを明確にしないと、私自身勉強しないと何とも言えませんね。けど、この本の中身の多くは私は正論だと思います。

(2005年12月25日記)

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